外国人整備士

外国人自動車整備士「特定技能者」の活用

特定技能とは?

外国人の方が日本で働くために2019年4月に「在留資格」として新設された「特定技能」と言う、ビザの種類になります。
誰でも申請すれば「特定技能ビザ」を発給してもらえるわけではない事が、特定技能ビザの特徴です。

では、どの様な方が対象になっているか「自動車整備士」の特定技能について解説!

なぜ自動車整備士の分野も特定技能ビザの発給が認定されたのか?

日本全国の自動車整備士の数は、約34万人です。
令和2年1月に日本自動車整振興会連合会が実施する調査によると、平成31年の自動車整備士の平均年齢が45.5歳と、高くなってきており若者の自動車に対する興味が薄れてきている事もあり、自動車整備業界の高齢化が深刻化している状況です。

その為、海外の人材を活用して自動車整備士を補う活動として「特定技能」が新設されました。

日本が人材不足を解消するために新たな制度を活用

近年の日本は、少子高齢化や人口減少により働き手の不足を取り上げています。
自動車業界にも影響があり、少子高齢化+車に興味を持つ若者の減少で、自動車整備士の数が減っています。
そこで、国は整備士の確保として「外国人」の活用を推奨しています。

特定技能は誰でも対象?

外国人が特手技能ビザで働く為には、いくつかの条件を満たした方が対象となります。

対象となる条件

1

日本で3年以上「自動車整備士分野」で「技能実習」として働いている事が条件です。
自動車整備分野第2号(3年間)、もしくは第3号(5年間)の技能実習を修了した者が対象となります。
2号も3号もどちらも「技能実習」です。

2

技能実習生として働く間、2つの試験の合格をした方が条件となります。
試験内容は2つ

A.初級試験

「自動車整備分野特定技能評価試験」又は「自動車整備士技能検定試験3級」の合格が必要です。
「自動車整備分野特定技能評価試験」は、国家資格3級相当の試験内容となります。

B.専門級試験(自動車整備職種・自動車整備作業)

技能実習2号を満了するまでに、義務とされている試験です。

※この2つの試験を合格していない事には、特定技能ビザに変更して日本で働く事は出来ません。
※特定技能ビザを未経験で希望する方は、日本語試験が必要ですが、技能実習の場合は日本語試験が免除です。

3年間日本の整備現場で技能実習生として働き、3年間の間に初級試験の合格と専門級の試験2つに合格をしないと、特定技能のビザを取得する事が出来ません。
試験は絶対の義務となりますが、不合格で3年間を迎えると、帰国の1択となります。

特定技能ビザへの切り替えは簡単ではなく、勉強した者だけが取得可能なビザとなります。

自動車整備業における技能実習と特定技能のレベル

【参考】
二級自動車整備士は、三級自動車整備士の能力・知識に加え、分解整備記録簿の管理など整備を統括する能力、自動車検査に関する知識が求められる。
一級自動車整備士は、二級自動車整備士の能力・知識に加え、自動ブレーキなど新技術の故障診断・整備、ユーザーに対して故障状態の説明や再発防止の助言ができることが求められる。

特定技能が行える業務内容

自動車の定期点検整備

道路運送車両法に基づく法定点検整備

定期点検項目の例

  • ステアリング装置

    ハンドル操作の不具合を防止するため、ロッドおよびアームの緩み、がた、損傷等を点検します。

    ステアリング装置

  • ブレーキ装置

    ブレーキの効き不良を防止するため、ブレーキディスクの摩耗および損傷等を点検します。

    ブレーキ装置

  • 走行装置

    ホイールの脱落などを防止するため、ホイールナットおよびホイールボルトの緩み等を点検します。

    走行装置

  • 動力伝達装置

    走行時の振動や動力伝達不良を防止するため、プロペラシャフト連結部の緩み等を点検します。

    動力伝達装置

  • 電気装置

    エンジンの始動不良や排気ガス悪化防止のため、点火プラグの状態等を点検します。

    電気装置

  • エンジン

    エンジンの不具合を防止するため、冷却装置の水漏れ等を点検します。

    エンジン

  • サスペンション

    サスペンションの異音の発生や不具合を防止するため、取付部および連結部の緩み、がた、損傷等を点検します。

    サスペンション

  • ばい煙・悪臭のあるガス有毒ガスなどの発散防止装置

    熱害による火災発生等を防止するため、排出ガス減少装置の取付の緩みおよび損傷等を点検します。

    ばい煙・悪臭のあるガス有毒ガスなどの発散防止装置

自動車の分解整備

エンジン、ブレーキ、ギアボックスなど重要部品を取り外して行う整備又は改造

分解整備とは、以下の装置を取り外して行う整備又は改造

• 原動機
• 動力伝達装置(クラッチ、トランスミッション、プロペラ・シャフト、ディファレンシャル)
• 走行装置(フロン・トアクスル、リア・アクスル・シャフト等)
• かじ取り装置(ギヤボックス、リンク装置等)
• 制動装置(マスタシリンダ、ブレーキ・チャンバ、バルブ類等)
• 緩衝装置(シャシばね)
• 連結装置(トレーラ・ヒッチ、ボール・カプラ)

これら作業を一人で適切に行える技能水準 ≒ 三級自動車整備士相当